犬や猫は人間と同じストレスを抱える動物です。少しでもストレスが原因と思われる行動があれば、普段の生活環境からストレスの原因を探し、見直してみましょう。
ストレスを感じている行動

このような行動を見たことありませんか?
- 身体(手足・お腹が多い)を異常に舐める
- 一箇所(椅子やケージ、本人の手足)を噛む
- ウロウロして落ち着かない
- 尻尾を追いかけて、ぐるぐる回る
犬の場合、手足を舐めて真っ赤にしてしまったり、血が出るまで舐めたり、齧ってしまったり、毛をむしってしまったりしてしまうことが多いです。
猫の場合、お腹やひどい子だと口が届く背中やお尻の方まで舐めて、毛を取ってしまって禿げてしまうケースも少なくありません。
これらはストレスが起因する行動の場合があります。診察の場面では「ストレス」という言葉をよく聞きます。ペットも私たち人間と同じ、心・感情を持つ動物なのでストレスを感じます。
ストレスの原因は、環境、対人、同居動物などが多いです。具体的には、退屈、不安、環境の変化、飼い主さんとのコミュニケーション不足などです。
ペットを飼育することは、その動物の性質を考えなければなりません。可愛いからと室内に閉じ込めて、ただ見るだけ、愛でるだけではいけません。
ストレスを作らない為に

犬や猫は、本来、野山を駆けまわり、獲物を捕り、テリトリーを持ち、他の犬や猫そして人間と社会生活をする動物です。もちろん、長い進化の過程で人間と共存しなければ生きていけない動物でもありますので、室内飼育することは自然なことです。そのため、犬は定期的にお散歩など運動をさせ、猫はキャットタワーや室内を自由に動ける環境を作って一緒に生活をしていると思います。
犬の場合
お散歩に長めにいく、ショッピングや食事など一緒に外出する、ボールなどを使った室内遊びでも良いです。ただし、これらは家族が付き合わないといけないので限界があります。犬だけで出来る方法としては、何か熱中できることを探してあげてみてください。
食事が楽しみという犬が多いと思います。その楽しみがお皿に入ったドライフードをガツガツっと食べて数秒で終了。せっかくの食事ですから、早食い防止のフード皿や知育玩具を使って少し時間をかけて食べる方法にしてみることをおすすめします。
ペットボトルにフードやおやつを入れるだけでも代用として使え、簡単にも作られます。(ただしペットボトルを食べない子に限る)愛犬の好きなものが何かを想像してもらうと、良い暇つぶしが見つかると思います。
猫の場合
猫の場合は、病気、怪我、事故などの理由から完全に室内飼育が奨励されますので、環境を考えるしかありません。高いところが好きですから、室内環境を猫仕様にしてもらうことで改善されることも多いです。
また、トイレが小さすぎることもあります。本来は原っぱのような広々トイレを使う子達ですので、人の都合にあわせた小さな猫トイレにストレスを感じている子も少なくありません。
おもちゃに工夫をすることもおすすめです。ゴムをつけて、ドアノブや椅子に引っ掛ける方法など試してみてください。